DIY団地リノベーション 【泉北ニュータウン:茶山台団地】 大阪府住宅供給公社
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1. 泉北ニュータウン活性化へ 堺市と公社の取り組み
泉北ニュータウンでは20~30歳代の若年層が減少し、さらに高齢化の進行も懸念されることから、
まちの持続性を確保するため、若い世代の方たちを圏外から呼び込む必要がありました。
また、現在ある賃貸住宅は、昭和40年代に建設されたものが大半で、
今のままでは若者の住まいに対するニーズに十分に応えられるものになっておらず、
リノベーション住宅などの新しい試みで住環境を改善する必要がありました。

このような課題に対し、今回、堺市と大阪府住宅供給公社が連携し、先進的な取り組みを行っている民間企業ともコラボしながら、魅力的なリノベーション住宅をつくり、泉北ニュータウンに若い世代を呼び込むための取り組みを行うこととなりました。

公社では、社内の技術部門や営業部門の各企画担当が結集し、さっそく新しい取り組みに向けての準備に入りました。
2. DIY FACTORY OSAKA と 9(ナイン)との出会い
舞台は泉ヶ丘駅の南側、徒歩約10分のところに位置する「茶山台団地」に決定。
茶山台団地はおよそ1千戸の住宅を有する公社随一の大規模団地で、今も2千人を超える方がお住まいになっています。しかし、築40年以上が経過し、若年層を中心とする入居者数の減少など、多くの問題が顕在化してきているところで、今回の活性化への取り組みにはうってつけの団地であるとの意見で一致しました。

しかし、舞台は整っても、肝心のコラボする相手がまだ見つかりません。魅力ある団地をいっしょに創ることができるパートナーは誰か。予算の制約もある中、今回の取り組みに理解を示してくれる、地元大阪の、先進的で、元気のある企業…。心当たりのあるところにアタックしても予算オーバーで断られたり、イメージが合わなかったりして、なかなかうまくいかないまま時間が過ぎていきました。

そんな中、ある公社スタッフの目に留まったのが、南海電鉄が手掛ける「なんばEKIKANプロジェクト」の紹介記事。南海なんば駅南側の高架下をリノベーションして、自由で個性的なショップをオープンし、新たなミナミの「まち」を創造するきっかけとすることがテーマとのこと。そのショップの中で特に目を引いたのが、体験型DIYショップ「DIY FACTORY OSAKA」。聞き慣れないコンセプトをカタチにしたその店内には、一般的なホームセンターとは全く異なる、何か作りたくなるようなワクワクする空間がありました。

築75年経過した高架下にこの独創的な店舗を創ったのは、リノベーション業界をリードする大阪のデザインオフィス「9」(ナイン)。古いコンクリートを活かしながらの、シンプルかつ先鋭的なデザインには高いデザインセンスを感じました。

実際に現地に足を運び、ショップのコンセプトや雰囲気を見た公社スタッフは…、
「茶山台団地でこんなリノベーションをぜひやりたい!ここしかない!!」
DIY FACTORY OSAKAのホームページはこちら 9(ナイン)のホームページはこちら
3. DIY FACTORY OSAKA から学ぶこと
最近、各メディアでも話題になっているDIY(※)。
若者向けの雑貨ショップや通販にもDIYグッズがズラリと並び、今まで工具に触れる機会がなかった女性にまでかなりの人気ぶりで、「DIY女子」なる言葉が生まれるほどです。
2014年4月、南海なんば駅南側の高架下、決して一等地とは言えない場所にオープンした「DIY FACTORY OSAKA」では、「体験できるリアルDIYショップ」をコンセプトに、初心者でも楽しめるDIYワークショップを数多く開催。店内にあるワークスペースは世代を問わず大勢のDIYファンでいつも賑わっています。
DIYを始めたいけれど、何をしていいのか分からない。そんなユーザーが木工の基礎から学べるスツール(木製いす)作りに参加してみる。
人気のアイアン雑貨を自分で作り、インテリアに使ってみたい。そんな女性が自分で溶接をやってみたり。
ワークショップ参加をきっかけにDIYの楽しさ・手軽さに気付き、そして、しだいにDIYの魅力にはまっていく人が増えていると、社長の山田岳人氏は言います。

※DIY=ドゥ・イット・ユアセルフの略。今回のプロジェクトでは、既存商品に合わせた生活を送るのではなく、理想とする生活に合わせて自らの住環境を自らの手で作り出すライフスタイルのことを言います。
消費する生活からつくり出す生活へ。DIYがもたらす新しい価値に、人々は気付き始めています。
4. デザインオフィス9(ナイン)の主張
通常、RC(鉄筋コンクリート)造の集合住宅は、40~70年で建替え時期を迎えます。
住宅に、5~10年間隔で小規模な改修工事をして、新築当時のような状態に戻す行為を「リフォーム」といいます。
一方で、30~40年経過した住宅において、現在の居住者ニーズに合わせた間取りや設備へ大幅に刷新する行為を「リノベーション」といいます。

「PUNK PRIMITIVE PURE」(前衛、素朴、純粋)をデザインコンセプトに、先進的な住宅・店舗のリノベーションで多くの実績をもつ「9」(ナイン)。

代表の久田カズオ氏はこう語ります。
「古い建物が持つ、その古い部分を活かしたリノベーションが施されれば、新築にはない魅力(価値)を持たせることも可能である。」

決して「古びる=価値がなくなる」ではないことを、これまで手がけた数多くのリノベーション事例を通して実証しています。
壊してつくりかえるのではなく、壊さずにできる限り長くつかう。
今あるものを活かして受け継ぐ、昔ながらの感覚はリノベーションの思考そのもの。
今後の住宅再生の軸となると考えられています。
Renovationで壊さずつくりかえる それが9のこだわり。
5. 賃貸住宅におけるDIYとRenovationの融合
近年、都市圏では中古マンションの成約件数が以前に比べて増加傾向と言われています。
この背景にあるのは、理想の生活に合わせて 自らの手で住環境を作り出す「DIY」と、古くなったものを再生して新たな価値を生み出す「Renovation」の社会的浸透が挙げられます。
しかし、一般的に賃貸住宅おいては、居住者が自由に手を加えることが難しいのが現状です。
そこで今回、DIY FACTORY OSAKA(以下、DFO)、デザインオフィス9(以下、9)、大阪府住宅供給公社、そして堺市のそれぞれの強みを活かし、実際の公社団地を舞台に「DIY」と「 Renovation 」の融合を図るという、新しい賃貸住宅のスタイルを提案していくプロジェクトを立ち上げました。
それが、泉北ニュータウン
公社茶山台 DIYリノベーション計画です。
入居(予定)者が自分好みの部屋をDIYでつくるというイベントは他でもありました。ただ、それだけではおもしろくない。
このプロジェクトに「楽しくなる」ストーリーと「たくさんの人が集まる」仕掛けを持たせたい。それはプロジェクトメンバー4者共通の思いでした。

そこでDFOの山田社長が「一般の人や団地の住民さんからDIYをやりたいと思っている人を集めて、できるところ全部DIYでやったらええやん。」との提案。
さらに9の久田氏より「どうせなら建築を学ぶ学生も集めて、プロがリノベーションの全てを教える学校形式のワークショップにしたい。」とのご意見。
改修工事はプロがやるもの、素人はちょっとした内装程度しかできないと思い込んでいた公社と堺市のスタッフにとってはまさに目からウロコ…。

こうして、泉北ニュータウン 公社茶山台団地DIYリノベーション計画を構成する2大イベント、
一般向けワークショップ「DIYⓇSCHOOL」と茶山台団地の住民様向けのDIYワークショップ「WAKUWAKUワークショップ」の企画が誕生しました
「DIY Renovation」でニュータウンに新たな価値を。~「みんなでつくる」を取り戻す~
本プロジェクトは、「 DIY Renovation 」によって泉北ニュータウンに若い世代を呼び戻し、かつてそこにあった地域コミュニティを取り戻します。
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